解決策
解決のポイント
1.木材と比較して反りや割れが発生しにくく、長期の使用が可能
2.国内生産で安定供給可能な合成木材「FFU」
3.高い強度を持ちながら、木材のように軽く加工も可能
国内生まれの工業素材、FFUとの出会い
そんなある日、T氏のもとに積水化学の営業担当が訪れ、合成木材FFUを紹介しました。
「これは木材にそっくりですが木材ではありません。ガラス長繊維とウレタン樹脂から作られた樹脂製品なんです。」
手渡されたサンプルは、見た目こそ木材に近いものの、持ってみると樹脂製品とは思えないほどしっかりとした剛性があり、T氏はすぐに興味を引かれました。FFUはガラス繊維が高密度に配合された圧縮強度に優れた構造材で、鉄道まくらぎや国内の下水道施設にも多数採用されているとのことでした。
さらに驚いたのは、屋外保管でも反りや割れがほとんど起きず、長期保管でも安定した性能を維持できるという点でした。「これなら予備品として持っていても安心だ」と思ったT氏。早速実際にアピトン材を使用している条件の厳しい現場で試験を行い、FFUにどの程度のたわみや割れが発生するかを確かめることにしました。
▼評価テスト中のFFU盤木
FFU採用で盤木調達の課題を克服
試験の結果、心配していたたわみや割れはほぼ発生していないことが確認され、FFUの本格採用が決定しました。
FFUの導入後、現場からは次々と前向きな声が届きました。
「見た目は木材に似てるけど、使ってみたらまったく別物だった。とにかく丈夫だし、それでいて軽い。」
「木材のように丸ノコで切れる。」
「これなら、在庫からそのまま持ち出してすぐ使える。」
さらに大きかったのは、アピトン材と異なり国内生産で安定して調達できるという点でした。資材課からは「アピトン材の供給で心配をしなくてよくなった」と好評で、現場管理の手間も減りました。
また、従来品と比較してFFUは腐食や劣化が起きにくく、屋外でも品質を保ちやすいため、これまで“使えなくなった盤木”として処分していた、いわゆる“ロス”を大幅に削減できました。「これで、もうアピトン材に振り回されずに済む。」そう語るT氏なのでした。
▼FFU盤木
▼FFU盤木使用例