解決策
解決のポイント
1.軽量なポリエチレン管の採用により、運搬や施工負担を大幅軽減。
2.EF融着による施工の簡易化。
3.配管が保温レスのため、工事費の削減と施工性が向上。
工期と予算をクリアできる? ポリエチレン管の採用を決意
N氏が代替品を探していたところ、積水化学の営業担当者から「エスロハイパーAW」という製品の紹介を受けました。LP管やSUS管以外使用したことがなく製品の知識はありませんでしたが、施工性の良さとコスト削減に惹かれました。特に軽量であることや、立て管が保温レスであることが今回の現場課題を解決するための大きなポイントとなるのではないかと感じました。
配管重量の軽量化による工期短縮
まず驚いたのが、従来の金属管と比較して非常に軽量だということです。
これにより運搬や施工の負担が大幅に軽減され、工期の短縮にも繋がることが分かりました。
・30Aの場合、LPは14.44kg/本に対し、「エスロハイパーAW」は2.4kg/本
・40Aの場合、LPは16.64kg/本に対し、「エスロハイパーAW」は3.1kg/本
・50Aの場合、LPは22.64kg/本に対し、「エスロハイパーAW」は4.8kg/本
※1本あたりの重量(LP:4m、AW:5m)
▼現場イメージ図
▼重量比較図
EF接合(電気融着)による施工の簡易化
「エスロハイパーAW」はEF接合(電気融着)による施工を行い、機器の指示に従い作業を進めます。そのため特別な技術を必要とせず、施工の均一化が図れます。熟練した技術をもつ職人に限定せず作業を進めることができ、人手不足の中でありがたいことだと感じました。また従来であれば、狭いパイプシャフト内で大きな工具を使用するため作業性が悪くなります。「エスロハイパーAW」なら継手に電気融着のコネクタを差し込むだけなので、作業性が向上します。
▼現場イメージ図
保温レスの立て管
「エスロハイパーAW」は結露しにくい材質で、保温工事が不要です。また保温レスなので万が一、配管から漏水が発生した際も漏水箇所を容易に発見できます。保温工事の削減により施工スピードが向上するだけでなく、大きなコスト削減にも繋がりました。今回の現場において重要なポイントだった、工期と予算の双方の課題をクリアできたのです。
▼現場イメージ写真
※水道水温が低い地域や寒冷地などで使用する配管は保温が必要となります。
横枝管の施工性向上
N氏はコストや作業性の面での利点を感じ、管種変更を決めました。しかし、建築現場では、仮設電源の使用や他機器との取り合いにより電源が不安定になることがあります。そのような状況下で、発電機などの専用電源を手配することは手間になるのではないかと懸念していました。すると営業担当者から、最近になってバッテリー式融着機が登場したことを教えてもらいました。発電機の専用電源が不要になることで電源の管理が不要になり、安定した融着性能を発現することができます。また、融着機自体も軽量で、電源コードも不要になったため、運搬性と操作性が向上し作業の効率性が飛躍的に向上します。さらに従来はクランプを別途用意しなければなりませんでしたが、50Aまでは「エスロハイパーAW」の継手にかんたんクランプを同梱しています。かんたんクランプは取り外しが不要で、狭小スペースの納まりにも対応できるため、他の設備や配管との干渉を避けながら施工できます。
▼かんたんクランプのイメージ
別途クランプを用意する必要なしで施工スピードUP & 従来クランプと比べて狭小スペースでも施工可能
▼バッテリー式融着機のイメージ
建築配管のオール樹脂化を目指して
N氏はこのように語ります。「『エスロハイパーAW』の導入により、非常に難しいと感じていた材工費の削減や施工性の向上を実現できました。また今回採用した給水用途の『エスロハイパーAW』だけでなく、『スーパーエスロメタックス』や『クウチョウハイパーCH』といった空調配管のラインナップが充実していることも知りました。これらを使用すると現場でオール樹脂配管を実現でき、さらなる施工の効率化やコスト削減に繋がると期待しています。『エスロハイパーAW』への切り替えによって、耐震化や腐食レスによる建物の長寿命化を実現し、施主に喜んでもらえたことは施工側としても非常に嬉しいことでした。」
今回の課題を解決した製品
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