解決策
解決のポイント
1.砕石と比較して空隙率が約3倍あり、掘削長さを約30%削減可能。
2.専用メンテナンスパーツにより、土砂などが滞留しない設計。
3.実績のある「クロスウェーブ」のパーツを転用した製品であり、各地にサポート会社が多数ある。
元設計より掘削長さを約30%削減可能に ※計算条件によって異なります。
N氏が砕石トレンチの代替品をネットで検索していたところ、狭小地向けに開発された「CWトレンチSS(狭小地向け治水対策)」という樹脂製の雨水浸透トレンチを見つけました。まず驚いたのが、砕石トレンチの空隙率が30%であるのに対して、「CWトレンチSS」の空隙率は94~95%であることです。この空隙率を今回の現場に当てはめて計算すると、元設計と比較して30%も掘削長さを削減できるとわかりました。
「CWトレンチSS」は、1つあたり約4㎏のコンパクトなブロックを積み重ねて施工します。設計も同様に、一定の大きさのブロックを繋げるように行うため簡単です。また実際設計してみると、1ブロックあたりの高さが220㎜と低く、高さの調整がしやすくなりました。
メンテナンスの容易さが考慮された製品設計
気になっていたメンテナンス性について問い合わせると「傾斜を設けたメンテナンスパーツによって枯れ葉やタバコの吸い殻などゴミを導水路に流せるため、目詰まりのリスクを抑制できる」と回答がありました。Φ100~150の塩ビ管を導水路部に接続することで、混入物を十分な空間を通して管路桝まで排出できることが分かりました。
結びに
積水化学工業の担当者の説明によると、「CWトレンチSS」は発売から26年以上の歴史がある「クロスウェーブ工法」を改良したものです。十分な実績と信頼のある製品であるとわかり安心しました。また各地に施工をサポートできる協力会社が存在し、施工講習の実施や現地での相談も可能とのことでした。N氏はその後も積水化学工業からの説明を受け、本現場の設計に「CWトレンチSS」を採用しました。施工開始後も現地でのサポートが十分で、トラブルなく完工しました。施主も、雨水浸透対策ができて安心していたようでした。N氏は「CWトレンチSS」を気に入り、今後もさまざまな物件で採用したいと話しています。
今回の課題を解決した製品
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